機械設計の勉強は難しい?設計者に必要なスキルや勉強方法は?
皆さんこんにちは。CADを利用した職種の一つに「機械設計」があります。機械設計職として活躍するには、どのようなスキルが必要でしょうか?段階別に学ぶべき項目も紹介します。
機械設計の勉強はなぜ難しいのか?
機械設計の業務は、幅広い知識と論理的思考能力が求められるため、一般的には難易度が高いといわれています。
多くの知識が必要である
設計の業務には主に構造力学、材料力学、熱力学、流体力学の4つの力学(4大力学)を頻繁に使用します。それに加えて、標準規格や法律、製図のルールの他にも機械や装置の組み立てや生産方法などの知識も必要になってきます。
論理的思考能力が求められる
上記に挙げた力学や規格、法律などの知識を状況に応じて使いこなし、「図面」という形式で表現することが求められます。
資格試験の難易度が高い
資格試験に合格することで自身の能力を示すこともできますが、合格率が低く、難易度が高いと言われています。機械設計技術者試験という資格試験は3級でも合格率が40%前後です。
設計者に必要なスキルを紹介
業界や担当する業務によっても異なってくると思いますが、一般的な例を挙げていきます。
技術的なスキル
- CADソフトの操作方法:AutoCAD、SolidWorks、CATIAなどのそれぞれの業務で使用するツールの操作
- 材料力学と応用力学:材料の特性と強度などの検討をする際に使用する知識
- 3Dモデリング:シミュレーションなどのためのモデル作成
- 回路設計:電子機器や制御にも関わる部署では知識があることが望ましい
分析を行うために必要なスキル
- 問題解決能力:設計上の課題やトラブルを解決するためのスキル
- データ分析:試験結果やシミュレーションデータの分析能力
チームやプロジェクトを円滑に運営するためのスキル
- コミュニケーションスキル:チームやクライアントと効果的なコミュニケーションを取る能力。
- プロジェクト管理:案件の計画や進行状況の管理、納期の順守をするための日程管理など
継続して学習する力
- 最新技術の取得:AIやスマートデバイスなど新技術の理解や活用
- トレンドフォロー:業界の最新のトレンドや技術を追いかけること
設計の勉強のためのロードマップ
初期段階
基礎知識の習得
数学や物理の基礎:三角法や力学など。計算は電卓やエクセルで行うことができるため、暗算の正確性はそこまで重要ではありません。微積分なども活用すると便利な場合もあります。
ソフトウェアの操作の習得
CADソフトやその他の業務で使用するツールの操作ができるようになる。それぞれの会社で使用しているものは異なります。CADソフトであればAutoCADやSolidWorks、JW-CADなどが有名です。その他にはMicrosoftのExcelやWordなどの初歩的な部分が理解できていれば大抵は問題ありません。
中級段階
より深い知識の習得
標準ベースの業務であれば、高校生レベルの数学や物理の知識でもこなせると思います。トラブル対応や製品の改善を視野に入れる場合は、よりレベルの高い理系分野の知識が必要になるでしょう。
プロジェクトに参画
業務フローや製品の改善などを目的としたプロジェクトに参画することで、自身の業界・職種だけでなく、他業界・他部署の事例や知識を身に着けることもできると思います。
上級段階
高度な知識の習得
システム設計:統合システムの設計、モデリングとシミュレーション。
新技術の習得:AI、IoT、スマートデバイスの設計。
リーダーとしての経験
大規模プロジェクト:企業や研究機関での大規模な設計プロジェクトに参画
リーダーシップとマネジメント:チームリーダーとしての経験。
継続的な学習
最新情報の取得
業界のトレンドを追う:定期的に専門誌やカンファレンスに参加。
オンラインコース:CourseraやUdemyなどで新しいスキルを学ぶ。
コミュニティでの学び
ネットワーキング:設計に関するコミュニティに参加。
情報交換:フォーラムやSNSで他のデザイナーとの情報交換。
まとめ
機械設計には、広範な知識と論理的思考能力が求められ、特に構造力学や材料力学などの4大力学が重要です。資格試験は難易度が高く、合格率が低いです。必要なスキルには、CADソフト操作、3Dモデリング、問題解決能力、データ分析能力、コミュニケーションスキル、プロジェクト管理など、多岐にわたりますが、就職にも有利で長く働くことが職種だと思います。