【完全ガイド】トラブルを防ぐ!機械図面の検図で必ず確認すべき7つのポイント
こんにちは!今回は、機械設計や製図の現場で必須となる「検図(けんず)」の要点について、詳しく解説していきます。
「ちゃんと図面を描いたつもりなのに、加工現場から質問が…」
「組立時に干渉してることが発覚…」
こういったトラブルの多くは、検図の段階で防ぐことができます。
この記事では、図面をチェックするときに確認すべき7つの重要ポイントと、それぞれの具体的な見方をご紹介します!
図面全体の確認
まずは図面全体を俯瞰して、「基本情報」に問題がないかをチェックしましょう。
- 図面の種類は正しいか?(部品図・組立図など)
- 図面番号、図面名、作成日、改訂履歴が記載されているか
- 尺度(スケール)や投影法(第一角法/第三角法)は適切か
- 図面間の整合性(組立図と部品図の対応)が取れているか
特に改訂履歴の記載漏れはトラブルの元になります。最新版かどうかの確認も忘れずに行いましょう。
寸法・公差のチェック
寸法の確認
- 必要な寸法がすべて記載されているか
- 重複や漏れがないか
公差の確認
- 寸法公差・幾何公差・表面粗さなどが適切に指定されているか
- 寸法の基準(基準面、中心線など)が明確か
加工や組立の精度に直結する項目なので、必要最小限の公差指定がコスト面でも有利になります。
形状・構造の妥当性
図面上では問題なさそうに見えても、実際に作ってみると加工が難しい形状だったというケースも。
- 深すぎる穴や、工具が入らない形状ではないか
- ネジの締結方向や順序に無理はないか
- 3面図(正面・側面・上面)で整合が取れているか
- 断面図や詳細図が適切に使われているか
→ たとえば複雑な内部構造は、断面図を使って明確に示すと誤解が防げます。
この段階では、加工者や組立者の視点になってチェックするのがポイントです。
材料・表面処理の記載
部品の機能性や耐久性を左右する重要な項目です。
- 使用する材料(例:SS400、A5052など)が明記されているか
- 熱処理や表面処理(焼入れ、メッキ、塗装など)の指示があるか
- 「適宜塗装」などの曖昧な表現が使われていないか
特に強度や耐食性が求められる部品では、材料や処理の明記が不可欠です。
部品同士の整合性(組立図)
組立図がある場合は、部品同士が実際に組める構造かをチェックします。
- 干渉がないか、適切なクリアランスがあるか
- ボルトやナットのサイズや位置に誤りがないか
- 組立時に工具が使えるスペースがあるか
- 組立の順番が合理的か
CADの干渉チェック機能を活用すれば、精度の高い確認が可能です。
記号・表記の統一性
図面に使用されている記号や文字表記が統一されていないと、誤読や誤解を招きます。
- JISなどの規格に基づいた記号が使われているか
- Φ(直径)、R(半径)、□(四角形)などが正確に記載されているか
- 文字の大きさやフォントに統一感があるか
- 「必要に応じて」「任意」など、曖昧な表現は避けられているか
社内規格がある場合は、それに則ることも忘れずに。
誤字脱字・レイアウト
図面は「誰が見ても同じように理解できる」ことが大前提。見やすさ・読みやすさの最終チェックも重要です。
- 文字が小さすぎたり、つぶれていないか
- 寸法線・補助線と文字が重なっていないか
- 全体のレイアウトが整理されているか
- 表題欄や部品表の記載に誤りはないか
最後の仕上げとして、図面の見た目も品質の一部として意識しましょう。
✅ 検図は“図面品質”を守る最終関門!
検図は、「描いた図面がそのまま現場に届いて形になる」ことを前提に行う、設計の最終ステップです。
可能であれば、第三者によるダブルチェックを行うことで、より高い精度が期待できます。
📄 おまけ:検図チェックリストを活用しよう!
検図作業を効率よく進めるには、チェックリストのテンプレートを作っておくのが効果的です。
たとえば:
- □ 材料と表面処理の指示はあるか?
- □ 寸法・公差に重複や漏れがないか?
- □ 部品の干渉チェックをしたか?
このようなリストにチェックを入れながら確認するだけで、見落としを大幅に減らせます。
まとめ
機械図面の検図は、設計の仕上げであり、トラブルを防ぐための重要な工程です。
この記事の内容を参考に、チェック項目をルーチン化することで、品質の高い図面を効率的に作成していきましょう!
テンプレートやチェックリストが欲しい方は、コメントやお問い合わせからお気軽にどうぞ!