CADのモデリングとは?種類や基本的な手順を紹介
CADモデリングとは
CAD(Computer-Aided Design)モデリングとは、コンピュータを使用して3Dモデルや2D図面を作成する技術のことを指します。製造業、建築、土木、アニメーション、ゲーム開発など、さまざまな分野で利用されています。CADモデリングにより、設計の効率化、エラーの削減、コスト削減が可能になります。
CADモデリングの種類
2D CAD
2D CADは平面上で設計を行う手法で、主に図面作成に使用されます。製造業では機械部品の寸法を正確に記述し、建築業では建物の設計図を作成するために用いられます。
代表的なソフトウェア:
- AutoCAD(機械・建築設計全般)
- DraftSight(AutoCADと互換性があり、低コスト)
- Jw_cad(日本の建築業界で広く使用される)
3D CAD
3D CADは、立体的な形状をコンピュータ上で作成する技術です。3Dモデルを活用することで、設計の可視化が容易になり、試作前に問題点を発見できます。
- ソリッドモデリング:実際の物体のように体積を持つモデルを作成する方式。代表的なソフトにはSolidWorks、Inventor、CATIA、Fusion 360などがあります。
- サーフェスモデリング:表面の形状を重視する方式。自動車、航空機、家電製品などの流線形デザインに適用されることが多い。例えば、CATIAは自動車メーカーで広く使用されており、自由曲面のモデリングに優れています。
- ワイヤーフレームモデリング:エッジのみで構成される3Dモデルで、主に初期設計段階で活用されます。
CADモデリングの基本的な手順
スケッチの作成
3Dモデリングの基本は2Dスケッチです。XY平面やXZ平面に線や円などの基本的な図形を描き、寸法拘束を設定します。
フィーチャーの作成
スケッチを押し出し、回転、スイープ、ロフトなどの操作を使って3D形状を作成します。
- 押し出し(Extrude):スケッチを一定の高さまで伸ばす。
- 回転(Revolve):スケッチを中心軸の周りに回転させる。
- スイープ(Sweep):スケッチを特定の軌道に沿って押し出す。
- ロフト(Loft):複数の異なる形状を滑らかに接続する。
フィレット(R加工)・面取り(C加工)
エッジを丸めるフィレットや、角を削る面取りを適用し、設計の完成度を高めます。
アセンブリ(組み立て)
複数の部品を組み合わせ、全体の構造を確認する作業です。干渉チェックやモーション解析も行います。
2D製図(製図作業)
3Dモデルを基に、2Dの製造図面を作成します。寸法記入や公差設定を行い、製造現場で使用できる形式にします。
CADモデリングの応用分野
機械設計
機械部品や装置の設計に用いられ、製造プロセスの効率化に貢献します。
建築設計
BIM(Building Information Modeling)を用いて、建築物の設計・施工・維持管理をサポートします。
製造業
金型設計、3Dプリンティング、試作などに活用されます。
アニメーション・ゲーム
3Dキャラクターや背景のモデリングにも使用されます。
CADモデリングのメリットと課題
メリット
- 設計ミスの削減:シミュレーションを活用することで、設計段階で問題点を発見できます。
- 作業効率の向上:手書き図面に比べ、迅速に修正・更新が可能。
- データの共有・連携:クラウドを活用した共同作業が容易。
課題
- ソフトウェアの習熟が必要:高機能なCADソフトは習得に時間がかかる。そのため、初心者向けにはFusion 360やFreeCADなどの軽量ソフトを活用するとよい。
- ハードウェアの要求が高い:3Dモデルの処理には高性能なPCが必要。そのため、クラウド型CAD(例:Onshape)を活用するとPCの負担を軽減できる。
まとめ
CADモデリングは、設計・製造プロセスを効率化し、品質向上に貢献する重要な技術です。適切なモデリング手法を理解し、目的に応じた設計を行うことが成功の鍵となります。
また、初心者が学習を始める際には、無料で試せるCADソフト(Fusion 360、FreeCADなど)を活用し、YouTubeやUdemyのチュートリアルを参考にすると、スムーズに習得できます。