CAMとは?CADとの関係や製造業における役割・メリットを解説
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CAD設計事務所
製造業では、部品の精度や表面仕上げが製品の品質や性能に大きく影響します。特に、以下のような場合には研削加工が不可欠です。
研削加工は、他の加工方法では実現できない精度や品質を提供し、製品の寿命や性能向上に貢献します。
研削加工(Grinding)は、砥石を用いて工作物を微細に削る加工方法です。砥石には無数の砥粒が埋め込まれており、砥粒が高速回転することで材料を少しずつ削り取ります。砥粒はランダムに配置されており、一つ一つが小さな切れ刃の役割を果たします。また、削られたカス(研削屑)は研削液を用いて排出されるため、仕上げ面の品質が向上します。
研削加工は目的や形状に応じてさまざまな方法があります。
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
平面研削 | 平面を高精度に仕上げる | 金型、精密機械部品(例:スライドガイド) |
円筒研削 | 円筒形状の外周・内径を研削 | クランクシャフト、ベアリング(回転部品の精度向上) |
内面研削 | 穴の内側を高精度に仕上げる | 油圧部品のシリンダー内面(シール性向上) |
センターレス研削 | 工作物を回転軸で支えずに研削 | シャフト、ピンの大量生産(生産効率向上) |
歯車研削 | 歯車の歯面を仕上げる | 自動車や産業機械のギア(摩擦低減、寿命向上) |
砥石の種類は、加工性能に大きく影響します。
項目 | 研削加工 | 旋削・旋盤 (ターニング) | フライス (ミーリング) | 放電加工(EDM) |
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工具 | 砥石(多数の砥粒) | バイト(単刃) | エンドミル(多刃) | 電極(非接触) |
精度 | μm単位の高精度 | 旋削より高精度 | 旋削よりやや高精度 | 研削と同等またはそれ以上 |
表面仕上げ | 非常に滑らか | 比較的粗い | 比較的粗い | 熱影響層ができる |
加工対象 | 硬い材料も可能 | 一般的な金属 | 一般的な金属 | 難削材、超硬合金 |
加工速度 | 遅い | 速い | 速い | 非常に遅い |
📌 ポイント:
材料選定
↓
荒加工(旋削・フライス)
↓
中仕上げ加工(放電加工・ボーリング)
↓
仕上げ加工(研削加工)
↓
超仕上げ(ホーニング・ラッピング)
🔹 例:自動車のクランクシャフト
研削加工は、高精度・高品質な仕上げを実現する重要な加工方法です。しかし、加工速度の遅さや熱影響といった課題もあるため、他の加工方法と適切に組み合わせることが重要です。